匙舐めて 童楽しも 夏氷

まひろです。

 

 お誕生日のお祝いに限らず、0から1を作り出すことができない私はいつも必ず先人の知恵を借りる。

百人一首を始めとした和歌や短歌、襲の色目に見る色、俳句やそれにまつわる季語。あるいは話せもしない英単語まで。

イメージの欠片を片端から検索窓に入力して頭を悩ませていると、まるで天恵のような言葉に巡り合うことがある。

 

山口誓子の句を見つけたとき。

「この『童』は彼だ」と思った。

雨の季節に夏を待ちかねる言葉をつぶやき、訪れた強い日差しの下でグループ最年少とかけっこしている動画を公開しているのを知っているから。

自分自身が彼のことを、まるで疲れを知らずに遊ぶ子どもを公園の入口から遠目に眺めて微笑ましく思うような、そんな距離感でみてしまうから。

だからなおのこと、情景を結びつけてしまったのもしれない。

 

彼にとっての「夏氷」は何だろう。

桃なのか、コーヒーなのか、フェスなのか、ダンスなのか、ライブなのか。

実際のところはわからない。手前勝手な想像をするしかない。

氷というのは儚いもので、あっという間に姿も味わいも変えてしまうけれど、彼はその刹那をつかまえて存分に味わおうとする人に見える。

季節が二周り目に入ったからと言って、未来がどうなるかなんて誰にもわからない。

だからこそ目の前にあることをひとつずつちゃんと楽しめる人が、今は一番強いのではないだろうか。

そうやって握りしめた一瞬一瞬を積み重ねた先で彼の前に拡がる世界が、今よりもっと色鮮やかなものになって欲しいと心から願う。

 

 

 

 

 

 

 

フォーゲルさん。 

 

 「これからもっと飛べるようにしておく」

 

口にされた言葉が示したのは、距離か高度かあるいはその両方か。

いつか必ず、大空を白い雲を引いて飛んでいく姿を見上げることが出来ると信じています。

 新しい1年がこれまでと同じように、そしてこれまで以上によき時間となりますように。

あなたが望むかたちの幸せをつかむことができますように。

 

お誕生日おめでとうございます。